- 新型コロナによるライブ・エンタテイメント業界の損失について
- 無観客ライブ配信での売上は?
- 東京都内のライブハウス閉店状況
新型コロナウイルス(以下「新型コロナ」と略)の感染・クラスタとなりやすいライブハウスなどへの休業要請がいつ解除になるか、2020年6月1日時点では不明な状況です。無観客ライブ配信を展開する組織、団体、グループもありますが、新型コロナによるダメージは、ライブ・エンタテイメント業界を窮地に追い込んでいます。
ライブ・エンタテイメント業界損失 約6,900億円
2020年5月29日、日本記者クラブ主催の記者会見で、ぴあ株式会社 代表取締役社長・矢内廣氏から、ライブ・エンタテイメント業界の売上損失の推計が発表されました。新型コロナウイルスの影響で2020年2月~2021年1月までに開催予定であったイベントなどの中止により、損失額は約6,900億円に達する見通しとなっています。
ぴあ総研は「新型コロナウイルスによるライブ・エンタテインメント業界への影響」調査を2020年3月24日に発表しました。この調査結果をもとにデータ更新され予測された損失額が約6,900億円です。この調査結果は2019年のデータをもとに2020年2月~2021年1月までのライブ・エンタテインメント業界が本来得られるはずであった売上・市場規模を約9,000億円と推計。中止による損失が77%と見込み算出された結果です。
この発表によると、中止または延期などにより、売上がゼロまたは減少した公演や試合の数は432,000本、入場できなくなった述べ観客数は2億2,900万人とされています。
ぴあ株式会社
「新型コロナウイルスによるライブ・エンタテインメント業界への影響について、日本記者クラブで会見を行いました」
「これ恋」無観客ライブ 開始15分で17万円
チャンネル登録者数が110万人を超える人気YouTuberコレコレがプロデュースする6人組女子アイドルグループ「これって恋ですか?」(通称・これ恋)の無観客ライブが2020年3月21日に実施され注目を集めました。
無観客ライブ「コレ恋LIVE!! vol.5 with コレコレ ~スパチャ期待してもいいですか?~」は観客のキャパシティが300名の「下北沢CLUB251」で開催され、設置された7台のカメラに対するパフォーマンスを生配信する本格ライブでした。配信開始から15分という短時間で、スーパーチャット(投げ銭)の金額が17万円という結果です。
新型コロナ終息まで乗り切れるか?
地下アイドルの活動は、ファンを目前にしたライブが中心。チケット売上だけではなく、会場での物販も重要な収益源です。
新型コロナによる東京都の休業要請は、2020年6月1日時点でステップ2まで緩和されました。しかし、ライブハウスへの休業要請はステップ3でも継続されます。
東京都の「新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ」
日本中の開店と閉店情報を集めたサイト「開店閉店」に掲載されているライブハウス閉店情報は2020年2月1日~5月末日までの間に16店舗で、内東京都に所在するライブハウスが8店舗(2020年6月1日時点)となっています。新型コロナの影響で休業が長期化するほどに、閉店を余儀なくされるライブハウスは増えてしまうでしょう。
出演するアーティストや地下アイドルだけではなく、会場となるライブハウス、そこに関わるスタッフたちも新型コロナの影響で窮地に追い込まれています。
できるだけ早い新型コロナの終息と窮地に追い込まれたライブ・エンタテイメント業界への支援を心より願っています。
2020年6月2日
文:FABE union PAC制作編集局